中小企業が消費者心理を理解して販売戦略を立てる3つのポイント

   

 

これからの時代の販売戦略はできているでしょうか?

昨今、モノが売れない時代になっていると言われます。次のような理由が考えられます。

・大量もモノを持つことで豊さを感じられなくなった

・必要なものは揃った

・将来が不安なのでお金を使いたくない

 

とは言え、買ってもらわなければ商売は成り立ちません。

そのためには、消費者の心理を考察することが大切でしょう。

 

この記事では、現在の消費者の心理について考えてみます。

 

 

 

消費者の心理を知るとは?

 

消費者がものやサービスを購入する理由は、大きくは2つになります。

 

・欲しい

・必要である

 

ということです。

 

この2つは明確に分類されるものではなく、必要であるから欲しいという心理もあります。消費者の心理を知るとは、「買う理由を作る」ということでもあります。

 

 

 

ものが不足していた時代の消費者心理

 

まずは、モノが売れていた時代について見てみます。

1950年中〜1970初頭を高度成長期とすると、この時代は技術革新と大量生産により、新しい製品が市場に出ました。特徴的なのは、プラスチック製品、合成繊維による衣服、インスタント食品、家電品で、消費者の購買意欲を刺激しました。

※一方で、大量生産・大量消費の社会は、物価高、不当表示、薬害・公害などの問題を引き起こしています。

参考

 

この時期は、豊かさやあこがれの象徴として「白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫」が、「三種の神器」と呼ばれていました。さらに、60年代半ばには、「3C」(カラーテレビ・クーラー・カー〈自家用車〉)が「三種の神器」となっています。

 

ここから類推できる消費者心理は、自分や家族が豊になるための消費の姿です。要は、生活上の利便性を実現してくれる各種の製品を購入することが豊さを手に入れることでした。また、人が持っているものは自分も持っておくことが大切でもありました。

 

消費欲が旺盛だったのは、モノで豊さを実感できたことと、所得が確実に上昇していたことが理由でしょう。

今ではブラック企業と呼ばれるような働き方が主流になったのも、日本経済全体が右肩上がりで、成長の富の分配が多くの労働者に行き渡っていたからだと考えられます。平たい言い方をしますと、この時代、給料は毎年上がっていくものだったのです。

 

ですから、

新しい

便利

憧れ

安い(お買い得)

 

必要である

みんなが持っている

誰も持っていない

あなただけ

 

で消費者心理をくすぐることができました。

昨今、シニア向けのマーケティングが盛んなのは、彼らが旺盛な消費欲を経験した世代だからでしょう。シニア世代には、「欲しくさせる」というマーケティングが有効です。

 

 

 

所得が分配されない若者の消費者心理は?

 

所得の分配が不平等になったのはいつからでしょう?

経済状況では、1989年に日経平均株価が4万円近くまで上昇したものの、1991年にバブルが崩壊します。その後、「失われた10年」と呼ばれる長い不況の時期がやってきます。2000年代前半からいわゆる「いざなみ景気」と呼ばれる好景気となりますが、2008年のリーマンショックにより景気は大きく後退します。このような経済状況の変化が、「就職氷河期」「非正規雇用」をひきおこし、若者を翻弄してきました。要は、若者は長期に渡る右肩上がりの時代を知らないのです。

非正規社員は、雇い止めという事態に遭遇することになりますが、それよりも上の世代には経験のないことです。

こうして、分配に差が出ることで、格差が広がり、「格差社会」と呼ばれることになりました。

 

こうした背景によって、若者のお金の使い道は、「預金」という皮肉な状況になっています。

参考

 

 

 

これからの消費者は選択する

 

これまでのマーケティングでは、

・より機能を多く

・コストパフォーマンスがよい

ということに主眼が置かれてきました。

 

しかし、選択肢が多くなりすぎて、企業側の提供する情報を参考にする割合が下がっているように感じます。消費者は自分で情報を集めて、自分で選択をします。

 

また、「豊かではなくなったのではなく、豊さを求めなくなった」ということも大きいでしょう。

これからは、消費者の選択肢に残るために消費者の心理を考えることが重要です。

 

 

 

「違う」と認識される

 

選択肢に残るために重要なことは、「その他」とは違うと認識されることでしょう。選択肢はこれからも多くなるので初見で「違う」という認識をされるか、もしくは独自性を打ち出すことが重要でしょう。

 

その方法は、

 

1:消費者に媚びない

スマホゲームは、数%の課金ユーザーが支えていると言われます。ほとんどは無料のプレヤーです。しかし、無料のユーザーに課金させる仕組みよりは、課金ユーザーにさらに課金をしてもらうことで、より強くなる仕掛けの方が儲かります。

多くのユーザーを見るのではなく、熱狂的なファンに喜んでもらうために、消費者に媚びないということが違いを生みます。

 

 

2:シンプルで高いデザイン性

新興家電メーカーのバルミューダは、家電店で3,000円程度で売られている扇風機やトースターを10倍の価格で販売しています。扇風機では「自然界と同じような風」を目指し、トースターでは表面がパリッとして中では水分をたっぷり含んだ「世界一のトースト」にこだわっています。デザインは約2000の案から選んだと言われます。

 

 

3:特徴がある

ダイソンの高級ドライヤーは、熱を抑えて強い風量で乾かすことで、髪を傷めないという機能をうたい、本体に穴があいた斬新なデザインで販売数を伸ばしました。

当時のドライヤーは2千~3千円が平均的な価格だったのに対し、ダイソンは約4万5千円(税別)とケタ違いの値段でした。ダイソンと言えば、吸引力による掃除機が有名です。このように特徴のある機能は選択肢に残る可能性を大きくします。

 

 

4:拡張性

デザインや特徴を備えて、さらに拡大をしている企業はアップルでしょう。iPhoneユーザーはMac、アップルウォッチを購入することで、便利さを体感しています。こうしたユーザーは強いファンとなり、他社に乗り換える可能性が低くなります。アップルが自動車にも進出すると言われていますが、拡張性においては、既存の自動車メーカーの脅威となるでしょう。

 

ちなみに、ヤフーよりもGoogleの利用率は上がったのは、検索窓のみのデザインと無限の選択肢を示したからではないかと思います。

 

 

 

これからの消費者心理は?

 

大量消費の時代が終わったと言われています。これからの消費者は、自分らしさを求めます。長く使えて、値段は高くても、自分の要望が叶えられるなら買います。バルミューダやダイソンが売れているのは、この点を抑えているからでしょう。

もうひとつの心理としては、組み合わせでしょう。自分に合うようにコーディネートができるものです。

この点から考えると、大手では、ユニクロやニトリは、個性を主張せず、他の製品との組合せに有効です。

さらに、忘れてはいけないのは、環境を破壊しない製造方法であるということです。

 

 

 

中小企業はどうすれば?

 

大手の事例を上げたので、中小企業はどうすればいいのか?という話になりますね。

 

次の3つが考えられます。

 

1:製品やサービスをシンプルでデザイン性を重視する

ホームページはセンスよく、制服や店内の清潔さを重視します。また、産業用の機械であっても、プロダクトデザインには配慮するべきでしょう。

 

2:強みに特化する

強みに特化するとは、製品の数や技術を絞り込むということです。言い方を変えれば、他社でもできることはやめるという選択肢が必要です。

 

3:業種を飛び越えた連携

強みのある中小企業は、同じく強みのある企業と連携をすることをおすすめします。

中小企業連携の事例として、「#SafeHandFish」プロジェクトがあります。100%天然素材の除菌抗菌液を販売するクリア電子、調味料の小型容器の製造・充填を行う大石屋、企画とクリエイティブを行うエードットが立ち上げたもので、「魚型の醤油差し」に除菌液を充填し、食を通して除菌を習慣化させることを目指しています。

お弁当に入っている魚の形をした醤油差には、除菌液が入っているのです。馴染みがあるだけにヒット製品になっています。

出典

 

 

 

まとめ

 

この記事では、これから販売をするために消費者の心理について考えてきました。所得が不安定になると財布の紐が固くなります。一方で、欲しいものにはお金を使うというのも消費者の心理です。こうした心理を踏まえて、これからのビジネスに役立てていただければ幸いです。

 

 

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