もし、新聞がなくなったら、社会はどうなる?折込チラシの未来も合わせて考察
近い将来、新聞がなくなると考えている人はいるようです。
こうした考えの背景には、ニュースはネットで、無料で見ることができるということがあるのでしょう。
実際、都市部の若い世代を中心に新聞離れが加速していると言われています。
このまま新聞は衰退していくのでしょうか?
当社は、新聞に折り込まれるチラシの印刷を生業としています。新聞離れが加速すると言われるこれからの状況で、当社の事業をどう考えればいいのか?
この記事では、新聞の未来について考えてみます。
Contents
なぜ、新聞が読まれなくなっているのか?
新聞離れが加速していると言われます。特に、都市部の若者の新聞離れが顕著なようです。
神戸市内の中高一貫校に通う男子生徒が、神戸大学の学生約190人の協力を得てアンケートを行い、卒業論文によると、この調査で、「(家族を含めて)新聞を購読していますか」という設問には4分の3以上の76・7%(145人)の学生が「いいえ」と回答。また「どの程度新聞を読みますか」という問いに、週に2~3日以上とした学生は189人中21人にとどまり、「日常的に新聞を読む学生」は11・1%という結果になっています。
https://www.sankei.com/life/news/200321/lif2003210034-n1.html
新聞の購読を年代別に見ると、
https://news.yahoo.co.jp/byline/shimasawamanabu/20180729-00091030/
若者の新聞離れは顕著ですね。
発行部数全体でも、減少しています。
https://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation05.php
情報の入手経路はどうなっているのか?
新聞を読まない人は、どのように情報を入手しているのでしょうか?
総務省のリサーチによると、ニュースのカテゴリーによって入手経路が違うようです。
情報の入手経路は、テレビが高いものの、インターネットに迫られています。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc123330.html
ネットニュースを見る理由
情報の入手手段として、インターネットの割合が大きくなっています。
その理由は、
・無料であること
・スマホによって手軽になった
・プッシュ機能
などが考えられますが、問題はネットニュースの情報源です。
スピードを重視するために、転載とネット内検索によるニュースが急増していると感じます。
「●●新聞には、・・・・と書いてある」という具合に、ニュースをニュースにする場合や個人配信のYouTubeですからニュースになっています。
もちろん、エンターテイメントに関するニュースは、こうした情報源で十分なのですが、取材を必要とするニュースの場合は、ネタ元を確認することが大切でしょう。
新聞の強みとは?
情報なネットで十分と考えている方が見落としている点があります。それは、そのニュースの信頼性です。フェイクニュースが出回っているように、ネットを通してニュースは瞬く間に拡散します。そして、フェイクニュースを信用したために、私たちの生活も振り回されることがあります。
たとえば、コロナ禍の当初、マスクだけでなく、トイレットペーパーが店頭から消えました。かつてオイルショックと同じことを私たちは繰り返しているのです。
新聞の圧倒的な強みは、記者の取材力です。
スクープを取るためには、入念な取材が必要でそのためには、記者数と取材に当てる時間を要します。また、地域性のあるニュースはその地域にいる記者でなければ取材ができません。
この話をすると、スクープは週刊誌が連発しているという指摘もあるかもしれませんが、これは新聞と週刊誌の掲載情報の違いでしょう。週刊誌は、毎週企画を組み、20程の取材班で動いているようです。週刊誌とは違い、新聞には出来事を伝える役割があります。
たとえば、
東日本大震災の被災地は10年後にどうなっているのか?
コロナ禍で病院の状況はどうなのか?
こうした情報はスクープではありませんが、私たちの生活に影響しています。
記者の数は?
新聞の強みは記者のスキルと数だと話しました。
たとえば、朝日新聞は約2300人の記者を抱えています。
https://www.asahishimbun-saiyou.com/company/outline
また、総理大臣の取材は誰もができるわけではありません。重要な取材には資格が必要なのです。
総理大臣の取材には、条件があります。
(社)日本専門新聞協会会員社に所属する記者(国会記者記章の保持者)
(社)日本雑誌協会会員社に所属する記者(国会記者記章の保持者)
外務省が発行する外国記者登録証の保持者
日本インターネット報道協会法人会員社に所属する記者で、十分な活動実績・実態を有する者
上記1、2、4の企業又は(社)日本新聞協会加盟社が発行する媒体に署名記事等を提供し、十分な活動実績・実態を有する者
http://www.kantei.go.jp/jp/pages/20170925kaiken.html
メディアの信頼性が取材力に影響をします。
一方で新聞社の抱えるリスクは、誤報です。誤報はメディアの信頼性を失墜させることになり、新聞を信用できないという層が新聞に書くことができない真実がネットにあると考えます。
ここで是非を問うことができませんが、信頼性に高いニュースを日々配信することが新聞社の存在価値となります。
もし、新聞がなくなったら?
仮に新聞社が経営破綻をして、新聞がなくなったらどうなるでしょうか?
こうした状況は考えにくいと言えます。新聞には朝日新聞、読売新聞を筆頭に全国紙があり、経済に強みを発揮する日本経済新聞があります。
朝日と読売が同時に破綻するというのは考えにくく、どちらかが破綻をしたら残った新聞社の購読者が増えるということになり、全紙がなくなるということはないでしょう。
新聞に関して大きな変革が起こるとしたら、新聞社が新聞を印刷しなくなるということでしょう。確かに、印刷をしなければ大幅にコストダウンをすることができます。人員の削減にもなり、新聞社の収益性は格段に向上します。しかし、この事態も考えにくいと予想します。
まずは、雇用はどうなるのか?という問題です。印刷部門に関わる工場の人員や新聞販売店で仕事をする人などの数は膨大です。新聞販売店の数は15334店になります。
この数は、ファミリーマートの店舗数(16,658店舗)と同等です。
新聞はどうなると予想するのか?
結論は、新聞はなくならないと考えます。かつ、印刷される新聞も継続するでしょう。あれだけの情報量をインターネットに掲載し、順を追って読ませることは難しいと考えます。大型のディスプレイのデバイスの登場も考えられなくはないですが、持ち運びに不便です。新聞社のネットメディアに注力はするでしょうが、あくまで紙の新聞があってのサブの役割になるでしょう。
紙の新聞がなくなる可能性があるとすれば、壁やテーブルに新聞紙面を投射できる技術が確立されればということでしょう。しかし、持ち運びができません。
また、新聞の特徴は、都市部を除けば、地域新聞の購読者が多いということです。これが地方紙の生き残りを支えています。ただし、人口の少ない地域と地域2位以下の地方新聞は苦しいと考えます。新聞印刷にはコストがかかるので、購読者の減少はダイレクトに経営に影響をします。記者を減らせば強みがなくなります。
この状況を予想すれば、地方新聞は経営統合をされていくと思われます。この構造はかつての銀行と同じです。そうすると、次の流れは、新しいサービスを伴ったメディアが登場してくるということです。フリーペーパーも苦戦が続くとしたら、専門誌化した新聞と雑誌の中間メディアが登場し、3日に1回の配布ということも考えられます。
折込チラシは?
最後に、当社が関わる折り込みチラシについて考えてみます。新聞の部数減により、折込も減少すると言われています。確かに全体数は減少するでしょう。しかし、折込がなくなることはないと考えています。
新聞は、届けてくれることがメリットです。その中に、ネットでは知らない商品やサービスのチラシが入ることは消費者への情報提供になります。スーパーの特売も、消費者にとっては重要なニュースなのです。
新聞は、記者のスキルが発揮される限り継続され、折込チラシは反応はある限りは継続すると考えます。
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