接客に関わる人が知っておきたい7つのルール

製造業が強い印象のある日本ですが、雇用人口の50%以上を占めるのはサービス業だと言われます。その中心となるのが、店舗サービス業です。飲食店、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど、町中には店舗があふれています。
商品に大きな差がなくなると、他社との違いを生むのは接客です。Aiが進化して、人間の仕事を代用しても、接客は人でないと勤まらないケースがあります。今後、接客の仕事が重視されることが予想できます。この記事では、接客に関わる仕事をしている人が知っておきたいルールをまとめました。
Contents
今後より接客が大切になる
先日、調剤薬局を取材した時の話です。調剤薬局と言えば、病院の門前にお店を連ねて、中に入ると薬を待っている患者様はびっしり。順番に名前を呼ばれてお薬を渡され、受け取ってお店を出るというイメージがないでしょうか。また、店内にいる薬剤師さんは、黙々とお薬を処方している姿を思い浮かべるかもしれません。
私が取材をした薬局では調剤室の中には自動ピッキングマシンがあり、お薬はAiの指令によって、調剤が行われていました。薬剤師さんは、患者様の健康相談に乗り、笑顔で対応をしていました。
昨今の薬局は処方箋がなくても健康相談ができるようになっています。病院に行くまでもないけれど、健康に不安のある方が気軽に薬局を訪れ、薬剤師は相談に乗っているのです。
調剤薬局の数は6万店以上と言われ、その数はコンビニと変わりません。同様に歯科医院の数も6万以上と言われ、競争が激しくなっています。薬を渡したり、歯を治療するだけでなく、患者様(お客様)に選ばれるサービスが重要になります。
なぜ、接客が大切なのか?
接客をロボットが行う「変なホテル」が話題となりました。しかし、ロボットでは接客が難しいという現実にぶつかりました。
朝日新聞によると、長崎にある「変なホテル」で17年のピーク時にホテル全体で27種、243体いたロボットは現在、16種128体と半分近くに減っており、いずれはロボットの種類を1ケタにまで減らすと報道されていました。
その理由は、
「人手に頼らないホテルをめざしたのに、ロボットの面倒をみるために人手がかかってしまった」ということのようです。
記事には、当初の約30人から8人に減らした従業員が数時間かけて充電したり、インターネットにつないだりと、ロボットを働かせるために追われてしまったとあります。
要は、ロボットのフォローをする「人」が大量に必要になったということです。それだけでなく、Ai(人工知能)のディープラーニングの機能も不足していました。
当初の設定では、「チェックアウトはいつ?」「朝食の時間は?」などの質問を受けながら学習し、人との会話が上手になるはずでした。しかし実際には、想定外の質問が向けられたことが多かったようです。
例えば「別府温泉に電車で行くにはどこで乗り継ぐの?」「釣り堀を予約して」。客が100人いれば100通りの質問や要望があります。そのすべてに応えるには、まだAIの会話能力には限界があったとのことです。
この記事から、「やはり接客は人間でないと無理」と考えるのは早計です。ディープラーニングの性能は高まるので、お客様の依頼に応えるロボットは開発されるはずです。
一方で、お客様はホテルやお店に泊まりに来ているだけではありません。特別な時間を過ごしたいと思っているお客様にとっては、心のこもった接客が大切になります。
要望に応えるロボットと違い、要望のないサービスをすることができるのが人間です。品質の高いサービスを提供しようとすれば、接客はとても重要になります。
おもてなしの前にやるべきこと
接客と言えば、おもてなしを想像するかもしれません。
『一生使える接客サービスの基本』(三上ナナエ 大和出版)によるとお客様に選ばれる人がやっていることは、「お客様の不安や不満を取り除くことに努めている」ということだとあります。
サービスを分類すると、「おもてなし」と「気遣い」に分けることができそうです。
おもてなしとは、心のこもった待遇のことを言います。株式会社おもてなし道のホームページには、おもてなしの語源は、「表裏なし」、つまり、表裏のない「心」でお客様をお迎えすることだとあります。
また、「その方をお迎えするに当たり、心をこめて準備をする等目に見えない心を目に見えるものに表す。その為の努力や舞台裏は微塵も表に出さず、主張せず、もてなす相手に余計な気遣いをさせないことが、「おもてなし」の本質です。」とある点からも、単に格式を高くする対応ではないことはわかります。
おもてなしには、気遣いが必須であり、気遣いには、人がどのように扱われたいのかを知ることが第一歩となります。
ただし、どんなにおもてなしを意識しても、ひとつのことにでも不満や不安があると、サービスの品質が著しく下がります。
おもてなしは重要ですが、その前に段階はさらに重要だと言えそうです。
では、ここからは接客に関わる人が知っておきたいルールについて考えます。
ルール1:接客とは演出である
高級ホテルで知られているリッツ・カールトンの日本支社長だった高野登さんの著書『リッツ・カールトン 一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣』(日本実業出版社)には、「美味しいものを提供する」だけでなく、「美味しくものを提供する」ことを考えようとあります。
ウエイターやウエイトレスの仕事は料理をテーブルに運ぶ作業をすることではありません。美味しい料理を美味しく演出することが仕事なのです。
お客様は食べ物を口に運ぶためにレストランに来ているわけではありません。特別な時間を過ごしたいと思っているのです。
接客とはお客様の心地よさを演出することで、情緒的な価値を生み出すのです。
接客も商品やサービスの重要な役割を持つのです。
ルール2:第一印象を重視する
お店に入ってお客様が接するのは、受付の人であり、ウエイターやウエイトレスになります。こうした方々は、お客様を迎えると「いらっしゃいませ」と言います。この時の声のトーンや外見は、お客様の第一印象を大きく左右します。
服装の乱れがないことは大前提ですが、お辞儀の角度にも意味があります。たとえば、お客様をお迎えするときに、「いらしゃいませ」というお辞儀はすぐにご案内をするので、浅いお辞儀になります。しかし、背筋が伸びていないとだらしなく見えます。一方で、お待たせした際にお詫びをするお辞儀は、深くすることで誠意が伝わりやすくなります。
ルール3:お客様のニーズを察知する
お客様からの要望があり、それに応えることはいずれロボットが行うようになります。人間でしかできないことは、お客様のニーズを察知することです。
具体的には、お客様の困っていることや不安を察知することが第一歩となります。
お客様のニーズは何を見ているのかで察知することができます。たとえば、ホテルで館内案内をご覧になっているお客様は、何かの施設を探しています。この時、さりげなく「何か施設をお探しですか?」と声をかけるといいでしょう。
ルール4:話すよりも質問をする
人は聞くよりも話したい生き物です。よい接客をする人は、お客様との会話の糸口を掴む質問に長けていると言えます。
たとえば、レストランでワインリストを見ながら、悩んでいるお客様がいたとします。注文が遅いので、「お決まりですか?」と聞くのはNGでしょう。逆に、「ワインリストって、本当に迷いますよね?」とお声がけをすると、お客様は安心するでしょう。来店するお客様はワイン通ばかりだとは限りません。
初心者にも恥をかかせずに、会話を楽しむコツは声がけの質問です。
ルール5:クレームはチャンスである
お客様がクレームを言うということは、商品やサービスに期待していたのに、それが叶えられていないというサインです。
商品やサービスの品質向上に役立つ情報になることもありますし、対応によってはお客様をファンにすることもできます。
クレーム対応は、スピードと誠意が重要です。すぐに対応し、お客様の言い分をすべて聴きます。反論や言い訳が必要なケースもありますが、話を遮るのは逆効果です。
話を聞く→解決策の提案→速やかな実行
が基本です。
クレーム対応は、最後のひと言も重要です。
「この度は、ご迷惑をおかけして大変に申し訳ありませんでした。」だけでなく、「この度はご連絡をいただき誠にありがとうございました。お気づきの点がございましたら、お教えください。」とすると、自分を卑下しなくてもすみます。
ルール6:一流のサービスから学ぶ
一流のサービスを提供しようと思うなら、自分が一流のサービスを体験することも大切です。
場合によっては費用がかかりますが、自己投資をすることで接客の品質も上がります。
他社の接客を学ぶ際、批判的な目線でサービスを受けないことが重要です。仮に、満足できないことがあっても、お客様から選ばれている以上、その接客には魅力があるのです。素直な気持ちでサービスを受けることで吸収できるものがあります。
粗探しをしないように注意しましょう。せっかくの自己投資が無駄になります。
ルール7:オンとオフは使い分ける
接客を仕事にしていると、気を使うことが多くなります。常に気を張っている必要はないので、オフの使い方を意識してください。
ゆっくりと疲れを取ることができる趣味や時間を持つことで、継続的に仕事をすることができます。
まとめ
この記事では、接客に関わる人は知っておきたいルールについて考えました。今後、接客の役割は大きくなります。だから、作業と接客には大きな違いが生まれます。作業はロボットがこなしますが、接客は人でないとできないことがたくさんあります。接客に関わる仕事をしている人は、自分の仕事の価値を高めてください。
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