上司の部下指導、正しいのはどっち?10のケース

上司はどのように部下の指導をするべきか?
部下を持った上司の方々は、悩むと思います。しかも、自分が部下の時代と比べても、今の部下は考え方が違うようです。
自分の考えは古いのか?
そんなことを考える上司も少なくないようです。こうした上司は部下の考えを理解できず、自分のマネジメント方法を確立することができません。
部下に合わせたマネジメントで成果を上げることができるのでしょうか?
この記事では、10のパターンを事例に、上司の部下指導について考えてみます。
Contents
ケース1:上司には人望が必要である
あなたは上司として部下からの人望があるでしょうか?
人望というのは部下から慕われているということです。人望のある上司像が好まれるのは、人は人望のある人に付いていきたいと思うからです。つまり、人望のある上司がいれば、部下は一生懸命に仕事をすると考えられているからでしょう。
そこで、上司の立場にある人は、部下から慕われる上司になることを目指します。
部下からの相談を受けて、親身になって答えます。常に部下に気を配り、場合によっては、自分から声をかけて様子を伺います。
すると、部下は上司を尊敬し、より一層仕事をします。
となればいいのですが、部下が上司に相談すればいいと思うようになると、自分で考えずに、すぐに相談をしてきます。まして、同じような相談を何度も繰り返されれば、上司であるあなたの時間が奪われます。
考えたいのは、何のために上司に人望が必要かということです。
「部下を成長させるため」ですね。
突き放したり、厳しくすることも必要でしょう。自分がなく、部下に厳しく接する上司の方が、部下は仕事をすることが少なくありません。そんな人を見て、「あんな指導法はダメだ」と思っても、部下に成果を出させているのが、そっちの上司なら会社はその人を評価するでしょう。
そこで、方針を転換したら、部下が、「相談に乗ってくれない」と上司を批判していることを聞いた時、あなたはどうするでしょうか?
「それは自分で考えて結果を出しなさい」とはっきりと言うことが大切ではないかと思います。
人望はあるに越したことはありませんが、会社は管理職に求めているのは成果です。
あなたの部下に接する態度は、会社が望む成果を出すことができるものでしょうか?
ケース2:上司はチーム全体のことを常に把握しておく必要がある
上司の仕事はチームの目標達成です。だから、上司はチーム全体のことを把握しておく必要があります。
このように、チームで何が行われているのか、目を光らせることが大切だと考える上司がいます。こうした上司は、途中経過を細かく部下に報告させます。常に指示を与えることで、的確な仕事ができて、ミスが少ないと思うからでしょう。
しかし、チームのメンバーが何人になるまで細かな指示ができるのでしょう?
上司に求められているのは結果です。プロセスの管理ではありません。プロスセスを管理することで、部下は自発性をなくします。結果、何かをする前には必ず、上司の判断を仰ぎます。こうして、自分で考えない部下が育ってしまうのです。
チームの人数が増えると、さすがに上司もすべての報告を聞くことができなくなります。すると、今度は上司の指示がないことを理由に部下の仕事が滞ります。
優秀な社員は、自分に任せてくれればいいと思うし、仕事が好きでない社員は、上司の回答の遅れを理由に仕事を引き伸ばします。
もちろん、自分勝手に仕事をさせると弊害も起こるでしょう。
上司は、チームの何を把握しておけばいいのでしょうか?このさじ加減が重要ですね。
ケース3:上司は部下のモチベーションを上げることが大切である
上司は部下のモチベーションを上げることが大切でしょうか?
そう考えているなら、あなたは、部下のモチベーションを上げるためにどんなことをしているでしょうか?
・自分から積極的に声を掛ける
・つまらなそうにしている部下には、仕事の意味を伝える
確かに、モチベーション高く仕事をしてもらうことは必要かもしれませんが、部下のモチベーションを気にしすぎているとあなたが疲れてしまいます。
モチベーションに影響を受ける部下は、モチベーションの上下で仕事をしたり、しなくなったりします。逆に言えば、モチベーションが上がらないという謎の理由で仕事をしなくなってしまいます。
重要なことは、モチベーションに関わらず、やるべき仕事をきっちりとやらせることです。
やることをしっかりやれば、このような評価になるということを明確にしておくと、やる気のある部下のモチベーションは、勝手に上がるのではないでしょうか?
さて、あなたは部下のモチベーションについてどう考えますか?
ケース4:上司は、部下のプライベートな相談にも親身に対応するべきである
部下に心を開いてもらうために、話しやすい雰囲気を作ろうとする上司がいます。
すると部下は、色んなことを相談してくれるかもしれません。特に、プライベートな相談は部下が心を開いてくれた証かもしれません。
たとえば、家族の問題を話されたとします。妻とうまく行っていないので、家庭がギクシャクしているというような話です。会社では話しにくいので、飲みに誘って話を聞きます。
ここで考えたいのは、どこまで部下があなたに解決を求めているのかということです。
多くの場合は、話を聞いて欲しいだけです。さらには、愚痴を言い、自分を肯定して欲しいという欲求を押し付けられているケースもあります。
その場は「スッキリしました。また、明日からがんばります。」となっても、家庭の問題が解決するわけではないので、一定時間が過ぎると、部下の気持ちが塞いでいるように見えます。
塞いでいる様子を見せると、あなたが親身に相談に乗ってくれるというパターンを部下が利用し始めると、仕事をしない理由をそこに見出します。
もちろん、延々と相談に乗るあなたの時間は何の発展性のないものになります。
さて、部下の相談には、どこまで関わればいいでしょうか?
ケース5:部下が退職しない上司がいい上司である
部下の離職率も、上司の評価になることがあります。ですから、部下が退職したいと申し出てくると、思いとどまるように説得することがあります。
逆に、部下がやめると言い出した時に、理由も聞かずに了承する上司がいたとします。説得して残ってもらっても、仕事に身が入らないから、引き止める時間が無駄だという考えです。
さて、どちらの対応が正しいでしょうか?
中小企業の場合、採用は難しくなっているので、社員がやめることは痛手です。しかし、戦力になっていない社員を残しておくことも赤字の原因となります。
人材を固定して、誰もやめることなく成長を続けることができれば、こんなにいいことはありません。しかし、たいていの組織では、人材の入れ替わりはあります。
この場合、どんな人がどんな理由でやめているのかを把握することが大切でしょう。
成果を出している社員がやめる場合は、きちんと理由を聞いておきます。仮に理由が成果と評価が曖昧だという理由なら、評価制度を改めることを上司に提案することもいいでしょう。
逆に、自分勝手な意見で退職していく社員は、会社にいなくてもいい社員だったかもしれません。
部下をやめさせないためにやさしく接すると適当な仕事も認めざるを得ません。逆に、「いつでもやめてもらって結構」という姿勢でも仕事にやりがいを見いだすことができません。
さて、部下の退職、あなたはどう思いますか?
ケース6:上司は仕事のプロセスまで丁寧に指導するべきである
仕事で成果を出すためには、プロセスが大切だという考えがあります。特に、自分がプレヤーとして高い成績を上げてきた上司は、成果を出すための方法論を熟知しています。
ですから、成果の出ない部下の仕事ぶりを見れば、成果の出ない理由はよくわかります。
その時に、上司はどこまで部下の仕事のプロセスに口を出すべきでしょうか?
仮に、プロセスを丁寧に説明したとします。部下はあなたの指示に従い、仕事をします。しかし、成果は出ません。その時に、「あなたの指示通りに仕事をしたのに成果が出なかった」という具合に、責任はあなたに移ってしまいます。
一方で、放置しておくと、いつまでも部下は仕事の仕方を改善しません。
さて、部下の仕事のプロセスに、あなたはどこまで介入するべきでしょうか?
ケース7:上司は背中で見せるものである
仕事のできる上司は部下に尊敬されるという考えがあります。特に中小企業では、成果を出した人が管理職になることがよくあります。ですから、管理職になってもプレーヤーとして現場に出る上司も少なくありません。上司は率先垂範して、背中で引っ張るという考え方をどう思うでしょうか?
こうした状況をプロ野球の世界で考えてみましょう。
監督が選手よりも優秀なプレーヤーである必要があるのかということです。確かに、現役時代に好成績を残した監督が成功している例もあります。
一方で、選手としては大成しなかったものの、監督として成功している人もいます。
要は、プレーヤーと監督は役割が違うのです。監督はチームの勝利を義務付けられています。選手を使い、作戦を考え、チームを勝利に導くのが監督の仕事です。
時々、プレイングマネージャーもいますが、ほとんどが専業監督であることを考えると、二つの役割を同時に行うことが困難であることが想像できます。
もちろん、全く野球経験のない監督に従う選手がいるとも考えられません。
さて、上司はどのように部下をマネジメントすればいいのでしょうか?
ケース8:部下の自主性を尊重する方がいい
部下の自主性を重んじて、自分で考える人材を育成することが上司の役割です。
そのように考えて、部下の仕事に口出しをしない上司がいます。
こうしたマネジメントをどう思うでしょうか?
確かに、部下が自主的に仕事をするようになれば、会社としてはありがたいものです。しかし、自主的に仕事をさせるために、自由にさせると、部下は本当に自由に仕事をします。要は、自分の好みで仕事をするようになるということです。
果たして、これで成果が出るのでしょうか?
自主性を育むことは大切ですが、仕事で求める成果も明確にしておく必要があるでしょう。
さて、あなたはどこまで部下の自主性を重んじますか?
ケース9:いい上司は積極的に部下と飲みに行く
部下と飲みに行くことで、普段話せないことも話すことができるので、飲みニケーションは重要であると考えている上司がいます。
確かに、お酒が入ると口が軽くなり、話がしやすくなります。上司としては、部下の本音を聞くことができる場になります。
しかし、問題はすべての部下と平等に飲みに行くことが困難であるということです。お酒が好きな部下とそうでない部下がいます。また、プライベートを重視する部下は、上司の誘いを仕事だと感じて、ストレスを大きくします。
結局、気の合う部下と飲みに行くことが多く、偏りが生まれます。
そうなると、飲みに行かない部下は、上司が部下を区別していると感じます。偶然にしても、よく飲みに行く部下を褒めると、上司に取り入っているからだという誤解を生じさせることもあるでしょう。
果たして、部下と飲みニケーションを取ることは正しいのでしょうか?
ケース10:いい上司は部下同士が協力をする体制を作る
いい上司は部下が協力して仕事をする体制を作るという考えがあります。確かに、仕事は一人ではできないので、協力することが大切でしょう。
しかし、協力をして仕事をした結果、不具合が発生した時は、どう評価すればいいでしょうか?逆に成果を挙げた場合は、誰を評価することになるでしょう?
仕事は責任を持つ人を決めることが大切です。だからこそ、評価の対象が明確になるのです。
協力という名の下に、責任を曖昧にした場合、やっている仕事が非効率であったり、重複することがあります。
もちろん、何の協力もしないで仕事が成し遂げられることもありません。
上司は、どこまで部下の協力を促せばいいでしょう?
まとめ
この記事では、上司の部下指導について考えました。世の中にある部下指導の本や情報は、部下のモチベーションを上げる方法論が多いようですが、必ずしもいい結果になることはないようです。
あなたの個性と部下の個性とチームの能力などに応じて、部下の指導法は違ってきます。
マニュアルを参考にするだけでなく、上司の役目を忘れないで部下の指導を行ってください。上司の役目は、チームの成果を上げることです。
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