お化け屋敷を開催してから次々と起こる心霊現象
第拾弐話 写せない霊

2021年2月8日
体験者:建設事業部Dさん

夕方まで建設現場で働いている為、本社での打合せは夜間帯になることが度々あるD氏。

その日も18時過ぎまで外が明るく、本社での打合せがついつい遅い時間になってしまった。

「ごめんごめん」そう言いながら、事務所で待っていた社員との打ち合わせをして、1時間近くが経っていただろうか・・・、少しお茶を飲みながら談笑していると、打合せをしていた社員から、「Dさん、普段は日中しか入らないお化け屋敷、この時間に入ったら怖いんでしょうね?」と悪ふざけでD氏に話しかけてきた。D氏は建設事業で体はガッチリしており日に焼け、たくましさを絵にかいたような人間だった。そんなD氏が怖がるところを見てみたいと社員は内心ワクワクしていた。そんな社員の悪乗りがD氏を挑発してしまったのか、「よーし、じゃあ俺1人で入ってきてやろうか?」と言い出すD氏。社員はニヤけながら、「僕は怖いから行きませんよ、でもそうなるとDさんが本当に入ってきたかどうかも分かりませんけどね」と更に挑発を重ねた。D氏は「わかった、じゃあ中に入って自分のスマホで中を撮影してくる。それなら問題ないだろう?」そう言い残すと、すくっと立ち上がり余裕の表情をうかべたまま、お化け屋敷のある通路を電気もつけずのしのしと歩いて行った。社員は自分から挑発したことを少し後悔していた。通常は日中にしかも2人1組で入るお化け屋敷、こんな時間に1人でいってしまうとは・・・・後を追いたいが怖くて前に進めず、ただ帰りを待つしかなかった。「多分すぐ戻ってくる、大丈夫、待っていよう」しかし10分・・・20分待っても戻ってこない。さすがに心配になった社員は廊下の電気を全てつけ、恐る恐るお化け屋敷に近づいていった。すると入口で真っ青な顔をしたD氏が呆然とスマホを見ながら立っていた。「Dさん!!どうしたんですか!?なにかあったのですか!?」そう話しかける社員に対しD氏は声を震わせて言った。「俺、中に入ったんだよ、ちょうど真ん中あたりまで進んだところで写真を撮ろうと思ったら、スマホからカメラのアイコンがなくなっていたんだ・・・そうしたら何かが近づいてきた気配がして、、小さな声で・・
写ラナインジャナクテ、写サセナイ・・・オ前ハ、写セナイ・・・」と聞こえてきて・・・
走って逃げてきた。スマホ見てもカメラの・・・カメラのアプリがないんだよ・・・

お化け屋敷に1人で入る時は決してカメラ撮影をしない様に気を付けてください。