価格が高いから売れないと悩んでいる印刷営業マンへの5つの処方箋

   

 

営業をしていて、他社が安い価格を出してきた時、あなたはどうしているでしょうか?

仕事が取れない時、「他社が安い値段を出してきました。」というのは、営業マンが失注を上司に報告するパターンです。というのは、「私は悪くはない」と仕事を逃した責任を会社のせいにできるからです。

しかし、その場は逃れても、仕事が取れない以上、その営業マンの評価は上がりません。

この記事では、価格を問題にしない営業について考えてみます。

 

 

価格は安い方が売りやすい

 

マーケティングの戦略のひとつに「コストリーダーシップ」というものがあります。簡単話、競合他社よりも低いコストを実現することにより、競争優位を確立する戦略です。

同じものなら安い方が有利です。ですから、相手が大幅な値引きを断行してきたら、不利になるのは間違いありません。しかし、ここで考えたいのは、「なぜ、相手はそんなに安くできるのか?」ということです。

基本的には、大量生産をすることでコストを下げることが考えられます。一方で、大量生産できるということは、品質は一定化しているものの、カスタマイズができないという課題を生みます。

コストリーダーシップに対抗する方法として、「差別化戦略」「集中戦略」があります。

差別化戦略とは、他社との違いを出すことであり、集中戦略とは特定の領域に特化して営業を行うことです。

 

 

 

営業の仕事は売ることである

 

前項で、価格が安い方が売りやすいというお話をしました。仮に、会社が他社よりも低価格で販売してもよいという許可が出たとしたら、どこにでも売れるでしょうか。

新規開拓の電話をして、「どこよりも安くします。」と言えば、「わかりました。すぐに注文します。」という話にはならないと思います。多くの場合、電話口で「決まった会社があります。」と内容も聞かれずに断られてしまいます。

なぜ、話を聞かずに断るのか。

お客さんは特に問題を感じていないからです。問題を感じていないということは、必要がないか、今の営業マンに不満がないからです。または、担当者は保守的で変化を嫌うということも考えられます。

営業マンの仕事は、どんな状況であれ「売る」ことが仕事です。そのためには、価格を提示する前に、商談の場を設定しなければなりません。

他者に仕事を取られるということは、最終的に価格が決め手になったかもしれませんが、その前段階で、商談の場を設定されてしまったことに問題があります。

 

 

 

人が行動をする理由

 

行動心理学の分野では、人が行動をする理由は2つだと言われています。

1:よいことが増える

2:悪いことが減る

例えば、営業成績が上がり、給料が増えるならどんどん営業活動をします。逆に、成績を上げても給料が増えず、お客に冷たい対応をされることが多いと、営業に行かなくなります。

自分の行動を振り返る時、短期的な理由で行動をしないことが大切です。

例えば、「他社が安かったので仕事を取られました。」と報告をすれば、上司に怒られないというのは、その場ではメリットです。しかし、長期的に見れば、売れない状態を続けるのでデメリットになります。

 

上司に怒られる→怒られないように言い訳をする→実力が伸びない

という営業マンは多いのです。結果、営業の成績が伸びず、転職しようにも次の会社でも営業をすることになります。

 

 

 

処方箋1:本当に同じものか?

 

印刷の場合、データを渡して、印刷物が届くということだけを考えれば、どこで印刷をしても同じではないかと思われます。

それでも、営業担当の理解度や高感度、仕事の確かさなど違いがあります。営業担当が変わったら、仕事が減るというケースもあります。

Aさんは、データをもらう印刷営業ですが、もらったデータの文字をチェックします。時々、誤植を発見するので、お客さんには信頼されています。逆にデータを横が流しにするだけでは、ネット印刷と変わりません。

これは「差別化戦略」です。

Bさんは、美術館の仕事を得意にしています。紙の発色のことや製本について詳しいので、お客さんから相談をされます。

こちらは「集中戦略」です。

印刷物で、お客さん(特に印刷発注者)が恐れるのは自分のミスです。ミスが出た時に親身になってくれる営業マンは頼りになります。値引きをするなら、こうした場面が有効です。

 

 

処方箋2:お客さんは価格だけで選んでいるのか?

 

広告代理店に頼むよりも印刷会社に頼む方が安いのはわかります。しかし、大手になる程、大手の広告代理店に発注をします。こうした事象からもお客さんは価格だけで決定していないことがわかります。

大手の広告代理店は、印刷物を制作しているのではなく、キャンペーンを企画して、その中で印刷物を制作しています。つまり、販売しているのは、印刷物でなく、キャンペーンなのです。

印刷物には、印刷をする目的があります。この目的を理解して、手助けをすることでお客さんに頼りにされる営業マンになります。

折込チラシの目的は、レスポンスをとることです。ですから、レスポンスを高める情報をお客さん求めています。

他社の事例や成功パターンなど、情報漏洩にならない範囲での情報をお客さんに提供することができれば、差別化になります。

 

 

処方箋3:価値の決まり方

 

ここで少し考えたいのは、「価格はどのように決まるのか」ということです。

売り手の側は、製造原価に利益を乗せて、価格を決定します。しかし、「デザイン」という無形のものの価格はどのように決まるのでしょうか。

サイズや作業時間によって価格を決めることもできます。一方で、デザインをする人の価値で価格を決めることもできます。

デザインを出すだけでなく、提案書を添えて、お客さんの納得感があれば、価格を下げられることはありません。

 

価格とは、

1:他社との比較で決まる場合

2:お客さんの予算で決まる場合

3:提供する価値で決まる場合

の3つがあります。

 

価格とは、売り手と買い手の価値の交換で決まるのです。

 

 

処方箋4:有限なものよりも無限のものに価値がある

 

印刷枚数やサイズ、用紙など、物理的に有限なものは比較がしやすく、価値を認めてもらうことが難しくなります。一方で、会社のブランドや営業マンの資質など、無形のものは価値が0になることもあれば、購入に決め手になることもあります。

「あなたを仕事がしたい」と言われる営業マンになれば、その価値は競合を大きく引き離していると言えます。

 

 

処方箋5:自分を売るということの意味

 

「営業マンは自分を売れ」と言われます。これはその通りで、営業は人と人の関わりで成立するので、人物として関わりたい人であることは大切です。

この時、間違ってはいけないのは、自分をアピールしてはいけないということです。お客さんは営業マンをタレントだと思っているわけではありません。

自分にとって有益な人物であるかどうかを判断しているのです。ですから、自分を売るために必要なのは、お客さんを理解するということです。

 

仕事の目的

社内での立場

どんな印刷物を求めているのか

これからどうしたいのか

お客さんへの理解をして、役に立つ人物であり続けることが、自分を売るということなのです。

 

 

まとめ

 

この記事では、価格競争に苦戦している印刷営業マンの処方箋を書きました。価格の安さは武器になります。しかし、安く販売しても利益を出すことができなければ会社は発展しません。

印刷営業マンとして、価格以外の価値を持つために、情報と自分を売り込むために、お客さんの理解を深めてみてはいかがでしょうか。

 

 

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